六本木にある B-Side Shisha Bar の店主である Sohei さんに伺った、フレーバーの詰め方について、一歩踏み込んだ考え方を紹介します。

シーシャの作り方に正解はないので、あくまで参考にしてください。
家シーシャ勢にはもちろん、シーシャ専門店のスタッフの方にとっても面白い考え方だと思います。
是非、試してみることをおすすめします。

パラメータで理解するシーシャの作り方

はじめに

撮影:Instagram @kenji.tashiro.93

みなさんこんにちは。B-Side Shisha Bar店主のSoheiです。
B-Sideでは欧米やロシアで主流のシーシャの作り方に特化し、味が濃く、煙が多く、味が長持ちするシーシャを提供しております。

「自宅で美味しいシーシャを作るのは難しい」「シーシャは経験と知識が豊富な職人でないと美味しく作れない」……そう考えている方は多いのではないかと思います。

確かに、お店で提供されるようなクオリティの高いシーシャを作れるようになるためには、ある程度の場数を踏みフレーバーについて深い理解を得ることが必要不可欠です。

しかし、これから説明するパラメータを理解すれば、味が濃く、煙のしっかり出るシーシャを初心者の方でも作ることができるようになります。

さらに、自分の作るシーシャのクオリティを向上させる際に何を試せばよいかの指標としてもご活用いただけます。

シーシャの作り方に悩んでいる初心者の方も、ブラッシュアップを考えている中・上級者の方も、是非最後までご覧ください。
みなさんが素敵なシーシャライフを楽しめるようになる一助となれば幸いです。

なお、本記事の内容は海外のブログ記事やYouTube動画を参考にしております。
気になる方は是非ご覧ください。

また、シーシャは嗜好品である以上、作り方に「正解」はございません。 本記事の内容はあくまで参考として、ご自身に合った作り方を模索してみてください。

参考記事:
How to Make a Hookah | Foil vs Kaloud Lotus | 6 Ways Tutorial - MOJO Hookah Lounge
https://youtu.be/22DnOyQ6wLk
A technical analysis on pack density - Mason Shishaware
https://www.masonshishaware.com/blogs/hookah-blog/the-ultimate-density-guide
Density Levels - Sarkis Alexander
https://youtube.com/playlist?list=PLX-tHG91AYYa00LU0CIh4HBNTIbQYbOx8
HOW TO SMOKE TANGIERS TOBACCO - Olla Bowls
https://ollabowls.com/blogs/news/how-to-smoke-tangiers-tobacco

味に影響する2つのパラメータ

結論から述べますと、今回覚えてほしいパラメータは、フレーバーの「高さ」と「密度」です。

使うフレーバーや機材、炭の置き方などでも味は変わってきますが、ボウルにフレーバーを詰める際にはこの2つを意識してください。

それでは、この2つのパラメータは味にどのような影響を及ぼすのでしょうか。

1つ目のパラメーター「高さ」

まず「高さ」ですが、これは炭とフレーバーの距離に影響するパラメータです。

炭とフレーバーが近い位置にあると煙の量とキック感が増えますが、注意して吸わないと焦げた味になりやすくなります。

一方で炭から遠い位置にあるとまろやかで吸いやすい煙になりますが、味が薄くなり立ち上げに時間がかかります。

2つ目のパラメーター「密度」

次に「密度」ですが、これは熱の通りやすさのパラメータです。

密度が低いと熱が通りやすいため味が濃く煙も多くなりますが、タバコ感が出やすく焦げた味になりやすくなります。

一方で密度が高いとタバコ感が抑えられまろやかになりますが、フレーバーによっては熱が通らず生焼けの味になってしまっています。

以上を踏まえた上で、次の章からは具体的にフレーバーの詰め方を、ストレートボウルとファンネルボウルの場合に分けて解説していきます。

フレーバーは、単品で使うことを前提としています。
ヒートマネジメントはKaloud Lotusの利用を想定していますが、他の製品やアルミホイル直炭でも問題なくお楽しみいただけます。

ストレートボウルは「高さ」で調整する

ストレートボウルとは、ボウルの底面に穴があいているタイプのボウルです。

ストレートボウルを使うメリットは、「フレーバーを詰めるのが簡単」で「味が濃く出る」ことです。熱風がフレーバーをダイレクトに通過する構造となっているため、フレーバーの密度を上げすぎると底面の穴が塞がってしまい吸いにくくなってしまいます。なので基本的にフワっと盛り付けることになります。

したがってパラメータとしては主に「高さ」のみを考慮すればよいため、技術的なハードルは低いです。

しかし、そのような特性上、タバコ感が出やすいフレーバーや熱耐性の低いフレーバー、またシロップが重さの大半を占めるフレーバーとは非常に相性が悪いです。 (相性の悪いフレーバーの例: Tangiers, Fumari, Azure, Nirvana)

大半のフレーバーはストレートボウルで問題なくお楽しみいただけますが、 もしキック感が気になる場合はファンネルボウルでの喫煙をご検討ください。

ストレートボウルのフレーバーの盛り方

①フレーバーをよくかき混ぜる。

②フレーバーをほぐしながらふんわりとボウルに入れる。

③爪楊枝等でフレーバーを均等に広げ、真ん中に空気穴を作る。

あとはお好みのヒートマネジメントでお楽しみください。②のステップでフレーバーの量を変えることで「高さ」のパラメータをコントロールすることができます。

3種類のフレーバーの盛り方

Solarisのストレートボウルを例に、フレーバーの量を変えて3通りの盛り方を見ていきましょう。
今回はAl Fakherを使用しますが、使用するフレーバーの量はフレーバーのメーカーやボウル毎に異なります。

Underpack(アンダーパック)

シーシャビギナーにおすすめの盛り方です。
フレーバーを14g程度使用し、ボウルの縁から2mm程度スペースを空けます。
Kaloud Lotus底面の突起がぎりぎり触れるくらいがベストですが、それでも煙が強いと感じる場合はフレーバーの「高さ」を下げてください。

To the rim pack(トゥー ザ リムパック)

当店で基本のオペレーションとして採用している盛り方です。
フレーバーを16g程度使用し、ボウルすり切り程度に均します。
Kaloud Lotus底面の突起のみがフレーバーに触れるくらいが理想です。
味が豊かで焦げにくい煙が持続します。

Overpack(オーバーパック)

シーシャヘビーユーザー(ヤニカスの免罪符)におすすめの盛り方です。
フレーバーを18g程度もしくはそれ以上使用し、Kaloud Lotusの底面にフレーバーを完全に付着させます。
強いキック感と濃厚な味わい(とニコチン)を楽しめますが、コンスタントに吸って熱を全体に回し続けないと盛大に味が壊れてしまいます。
この盛り方で作るダブルアップルの味を覚えると、沼です。
フレーバーによって向き不向きが分かれるので注意です。ロシア製フレーバーやAl Fakher、Nakhlaは相性抜群です。

ファンネルボウルは「密度」で調整する

ファンネルボウルとは、中心にひとつだけ穴があいているタイプのボウルです。

ファンネルボウルを使うメリットは、「密度のコントロールができる」点です。

フレーバーの密度をコントロールする際の自由度が高く、またシロップを保持する構造となっているため、タバコ感が気になるフレーバーやシロップの多いフレーバーとの相性が非常に良く、フレーバーを選ばずに使うことができます。

またストレートボウルと違い、熱風がフレーバーをダイレクトに通過しない構造となっているためまろやかな煙が出しやすく、万人受けしやすいです。

ファンネルボウルのフレーバーの盛り方

①ボウルの容量を測る。

②フレーバーをよくかき混ぜる。

③使用するフレーバーの Density Level に合わせてフレーバーをほぐしながらふんわりと盛る。

④爪楊枝等で均等に広げながら、すりきりまでフレーバーを優しく抑える。

見慣れない言葉(Density Level)が出てきましたが、これから解説するのでご安心ください。
ファンネルボウルでは使用するフレーバーごとに「密度」を変化させて作るということがポイントです。

Density Level とは

Density Levelとは、フレーバーを詰める際の密度の段階を明文化したものです。
フレーバーごとに最適なグラム数を計算によって求め、それをボウルに詰めるだけで最適な密度になります。

まずは、Density Level 別の解説および最適なフレーバーの紹介をしていきます。
最適なフレーバーに関しては海外の blog 記事から引用しているため、個人的に未検証のものも含まれますがご了承ください。

Fluff Pack(フラッフパック)

熱耐性が高いフレーバーもしくはベースのタバコが軽いフレーバーに最適な密度。
ふんわりとボウルに乗せたら、それを爪楊枝等で均等に広げるだけ。30-45分の短時間での喫煙に向いています。

推奨フレーバー: Social Smoke, Serbetli, Lavoo, Must Have, Duft, Chaos

Semi-Fluff Pack(セミ-フラッフパック)

シロップの多いアメリカ製のフレーバーの大半はこの密度が最適。
ボウルすりきりに収める時は爪楊枝等で優しく均すようにすると良いです。

推奨フレーバー: Starbuzz, Fumari, Mazaya, Alchemist Blonde, Trifecta Blonde, Ugly, Afzal

Normal Pack(ノーマルパック)

中東系を中心にほとんどのフレーバーは Normal Pack で美味しく吸うことができます。
フレーバーの葉同士の空間が潰れないように指等で優しく押し下げるのがポイント。
Fluff Pack や Semi-Fluff Pack 推奨のフレーバーも、Normal Pack で作ることで優しい煙が長時間持続します。

推奨フレーバー: Al Fakher, Azure Blonde/Dark, Othmani, Adalya, Al Waha, Element, Overdozz, Haze

Semi-Dense Pack(セミ-デンスパック)

ダークリーフは基本的にこの密度でキック感を和らげながら楽しむのがセオリーです。
ブラジル系のフレーバーはブロンドリーフでもこの密度で火力を強めて吸っている人が多い印象。
フォークの背を使って軽く潰すようにするとやりやすいです。

推奨フレーバー: Trifecta Dark, Starbuzz Vintage, Nirvana, Nakhla, Zomo Blonde, Darkside

Dense Pack(デンスパック)

Tangiers が公式に推奨している詰め方。
ファンネルボウルの中心の穴の高さまでぎゅうぎゅうにフレーバーを詰めると Dense Pack になります。
この作り方で Tangiers を吸うともう戻れません……。

推奨フレーバー: Tangiers, Starbuzz Serpent, Zomo Strong, Lavoo Heritage, Baja

ボウルの容量の測り方

次に、ボウルの容量の測り方と、Density Level ごとに最適なフレーバー量を計算する方法をご紹介いたします。

最初に、ボウルの容量を測る際、Cement Pack という手法を用います。
Cement Pack とは、ボウルの縁までぎゅうぎゅうにフレーバーを詰めるという方法です。

次に、Cement Packした際のフレーバーのグラム数を基準に、Density Level 毎に必要なフレーバー量を計算します。

・Dense Pack: Cement Packの90%
・Semi-Dense Pack: Dense Packの87.5%
・Normal Pack: Dense Packの75%
・Semi-Fluff Pack: Dense Packの62.5%
・Fluff Pack: Dense Packの50%

そして、前述の通りそれぞれのフレーバーに対して最適な Density Level が存在するので、それに合ったグラム数をボウルに詰めてください。

フレーバーのブランド毎にCement Packで容量を測り直すのが理想的ではありますが、おおよそどのフレーバーでも同じくらいの数値に落ち着くと思います。
Al Fakher を使用した際の 80 feet bowl と Oblako Phunnel M の容量は以下の通りです。

おそらくファンネルボウルをお使いの方の多くは大半のフレーバーを Fluff PackもしくはSemi-Fluff Pack で作っているのではないでしょうか。

もちろん、火力の調整で味をコントロールし Density Level に関係なく美味しいシーシャを作ることは可能ですが、初心者の方がいきなりそれを試そうとするのは困難です。

Density Level を考慮すれば、どのフレーバーを用いても同じ熱管理で簡単に美味しいシーシャをお楽しみいただけます。是非お試しください。

Q&A

Q1. ファンネルボウルで「高さ」の調整はできる?
A1. できます。お好みに応じて5%-15%程度フレーバーのグラム数を増減させてください。「密度」をキープしたまま「高さ」を変化させるのがポイントです。
Q2. ミックスする時はどうすればいい?
A2. 慣れないうちは同じブランド同士、もしくは Density Level の近いフレーバー同士でのミックスをおすすめします。Density Level が大きく異なるフレーバー同士でのミックスは個人的には以下のように行うことが多いです。

・配合の割合でコントロール
 Dense Pack および Semi-Dense Pack 向きのフレーバーは味が濃く重たい傾向にあります。そのため、軽いフレーバーをメインに重いフレーバーを少量ミックスする程度で十分に双方の味を楽しむことができます。最も簡単な方法です。

・Density Levelでコントロール
 主にファンネルボウルで使える手法です。まず、使用するフレーバーを一度皿などの容器に移し、よくかき混ぜます。次に、ミックスしたフレーバーに対して最適な Density Level を推測し、ボウルに詰めます。この推測については、多少の慣れが必要です。

・層でコントロール
 上級者向けです。重いフレーバーを下層部に敷き詰めることで、熱の通り過ぎを防ぐことができます。
Q3. 最適な Density Level が分からないフレーバーはどうすればいい? 
A3. 基本的に重いフレーバーほど「密度」を上げるのがセオリーです。アメリカ系ブロンドリーフの場合は Semi-Fluff Pack、中東系フレーバーの場合は Normal Pack、ダークリーフの場合は Semi-Dense Packで作ってみることをおすすめします。吸ってみた際にキック感が気になる場合は「密度」を上げる、味が薄い場合は「密度」を下げるなどお好みに応じて変化させて最適な密度を探してみてください。
Q4. フレーバーのシロップを拭き取る必要はある? 
A4. 個人的には行いませんが、好きなようにしてください。ただし、シロップを拭き取ると熱耐性および最適な Density Level も変わってしまうのでご注意ください。
Q5. フレーバーは細かく刻んだほうがよい? 
A5. そこまで神経質になる必要はありませんが、細かく刻むほど熱通りが良くなります。ストレートボウルで作る場合は刻みすぎるとタバコ感が増し味の持続性が悪くなる印象なので個人的にあまりおすすめしません。ファンネルボウルの場合はある程度細かめにカットしたほうがボウルに詰める際にやりやすくなります。お好みでどうぞ。

最後に

以上となります。海外ではシーシャの作り方はほとんど定式化されているにもかかわらず、それを日本語で解説している文献がほとんどないなと思い、今回記事を書かせていただきました。

他にも気になることがあれば是非 B-Side に遊びに来てください。 最後までご覧いただきありがとうございました。